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診療報酬・調剤報酬 医師 事務長 2026.06.10 公開

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【2026年度改定対応】特定疾患療養管理料の算定要件・対象疾患を解説

特定疾患療養管理料は、慢性疾患を主病とする患者さんに対して計画的な療養管理を行った際に算定できる管理料です。クリニックでは月2回・1回225点と、安定した収入に直結する診療報酬の1つです。2026年度改定ではNSAIDs投与患者さんの扱い変更など、実務に影響する見直しが入りました。本記事では、算定要件・対象疾患・注意点を体系的に整理しています。算定体制の見直しや疑問点の確認にお役立てください。

※本内容は公開日時点の情報です

#レセプトの悩み #医療政策

目次

特定疾患療養管理料とは

特定疾患療養管理料は、厚生労働省が定める特定疾患を主病とする患者さんに対して、治療計画に基づき療養上必要な管理を行った場合に算定できる医学管理料です。クリニック・200床未満の病院が対象となり、かかりつけ医として慢性疾患を継続管理することへの評価を担います。

管理の内容としては、服薬・運動・栄養などに関する療養指導が中心です。診察に基づいて計画的な診療計画を立て、管理内容の要点をカルテに記録することが算定の前提条件です。

【2026年度改定対応】特定疾患療養管理料の算定要件・対象疾患を解説

対面診療での診療報酬点数

対面診療における点数は下表のとおりです。

医療機関区分 点数
診療所 225点
許可病床数100床未満の病院 147点
許可病床数100床以上200床未満の病院 87点
出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)医科点数表P93」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html

オンライン診療での診療報酬点数

情報通信機器を用いた診療(オンライン診療)における点数は下表のとおりです。

医療機関区分 点数
診療所 196点
許可病床数100床未満の病院 128点
許可病床数100床以上200床未満の病院 76点
出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)医科点数表P93」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html

なお算定にあたり、情報通信機器を用いた診療に係る施設基準の届出が別途必要な点もおさえておきましょう。

出典:厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取り扱いについて(令和8年3月5日保医発0305第8号)(0529訂正後)P44」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html

2026年度診療報酬改定での2つの変更点

2026年度(令和8年度)改定では、特定疾患療養管理料に関して主に2点の変更がなされました。算定対象患者さんの絞り込みと、施設基準への新たな掲示要件の追加です。早めに院内体制への影響範囲を確認しておきましょう。

①胃潰瘍・十二指腸潰瘍を主病とする患者さんへのNSAIDs投与患者が算定対象外に

今回の改定では、胃潰瘍・十二指腸潰瘍を主病とする患者さんのうち、消化性潰瘍への投与が禁忌であるNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)を投与している患者さんが、算定対象から除外されました。

①胃潰瘍・十二指腸潰瘍を主病とする患者さんへのNSAIDs投与患者が算定対象外に
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について【医科全体版】P177」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html

医療機関をまたいで複数科を受診している患者さんのなかには、自院以外でNSAIDsが処方されているケースも少なくありません。マイナ保険証の活用など、自院処方だけでなく他院処方を含めて確認する運用が有効でしょう。

②リフィル処方箋・長期投薬対応の掲示が施設基準に追加

2026年度改定より、特定疾患療養管理料を算定する医療機関は、以下の対応が追加されました。

  • 長期投薬・リフィル処方箋の対応可能な旨を院内に掲示する
  • 患者さんから求められた場合に状態を踏まえて対応する
②リフィル処方箋・長期投薬対応の掲示が施設基準に追加
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について【医科全体版】P192」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html

経過措置は設けられていないため、改定施行日である2026年6月1日からの対応が必要です。ポスターや掲示物の準備を早めに進めておきましょう。

出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 16. 経過措置を参考に記載」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html

特定疾患療養管理料の対象病名リスト

算定の対象となるのは、厚生労働省告示内容に定められた疾患を「主病」とする患者さんです。

  • 結核
  • 悪性新生物
  • 甲状腺障害
  • 処置後甲状腺機能低下症
  • スフィンゴリピド代謝障害及びその他の脂質蓄積障害
  • ムコ脂質症
  • リポ蛋白代謝障害及びその他の脂(質)血症(家族性高コレステロール血症等の遺伝性疾患に限る。)
  • リポジストロフィー
  • ローノア・ベンソード腺脂肪腫症
  • 虚血性心疾患
  • 不整脈
  • 心不全
  • 脳血管疾患
  • 一過性脳虚血発作及び関連症候群
  • 単純性慢性気管支炎及び粘液膿性慢性気管支炎
  • 詳細不明の慢性気管支炎
  • その他の慢性閉塞性肺疾患
  • 肺気腫
  • 喘息
  • 喘息発作重積状態
  • 気管支拡張症
  • 胃潰瘍及び十二指腸潰瘍(消化性潰瘍のある患者への投与が禁忌である非ステロイド性抗炎症薬の投与を受けている場合を除く。)
  • 胃炎及び十二指腸炎
  • 肝疾患(経過が慢性なものに限る。)
  • 慢性ウイルス肝炎
  • アルコール性慢性膵炎
  • その他の慢性膵炎
  • 思春期早発症
  • 性染色体異常
  • アナフィラキシー
  • ギラン・バレー症候群
出典:厚生労働省「特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第71号)P238~240別表第一特定疾患療養管理料並びに処方料及び処方箋料の特定疾患処方管理加算に規定する疾患」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html

自院の電子カルテやレセコンが正しく設定できているかどうか、一度確認しておくとよいでしょう。

特定疾患療養管理料算定時の注意点

算定要件を満たしているつもりでも、思わぬ見落としにより査定や返戻が発生することがあります。下表に確認ポイントをまとめたため、レセプト請求の際に参考になさってください。

確認ポイント 内容
主病かどうか
  • 対象疾患であっても、主病として治療していなければ算定できない
  • 2科以上を受診している場合は、主病の治療を行う診療科でのみ算定可能
自院で主病を診療しているか
  • 主病の治療を他院で受けている患者さんには算定できない
  • ただし主病が異なる場合は各医療機関でそれぞれ算定可
初診月に算定していないか
  • 初診料を算定した日(初診日)には算定不可
  • 初診日から1か月を経過するまでも算定不可
  • 1か月経過日が休日の場合、その直前の休日でない診療日に管理を行ったときは算定可
退院直後に算定していないか
  • 退院した日から1か月経過するまでは算定不可
  • 入院中の患者さんも算定できない
月の算定上限を超えていないか
  • 月2回まで
  • クリニックの場合1回225点×2回=最大450点が月の上限
併算定不可の管理料はないか
  • 特定疾患治療管理料
  • てんかん指導料
  • 難病外来指導管理料
  • 心臓ペースメーカー指導管理料
  • 小児悪性腫瘍患者指導管理料
  • 移植後患者指導管理料
  • 認知症専門診断管理料などとの同時算定は不可
カルテへの記録は適切か
  • 療養上の管理内容の要点をカルテに記録すること
  • 記録がなければ査定対象になりうる
NSAIDs投与の患者さんに算定していないか(2026年度改定内容) 胃潰瘍・十二指腸潰瘍を主病とする患者さんであっても、消化性潰瘍への投与が禁忌であるNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)を投与している場合は算定不可
リフィル処方箋対応の掲示・対応はできているか(2026年度改定内容)
  • 28日以上の長期投薬やリフィル処方箋交付について、院内へ提示すること
  • 患者さんの状態を踏まえ求めに応じること
出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)(令和8年3月5日保医発0305第6号)(0529訂正後)医科診療報酬点数表に関する事項P152~153をもとに著者が要約して記載」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html

電子カルテの算定支援機能でチェックできる場合もありますが、最終的な確認は担当者が担う必要がある部分です。現在の算定方法で不安がある場合は、後述するレセプト審査支援システムの活用もあわせてご検討ください。

特定疾患療養管理料についてよくある質問

ここからは、特定疾患療養管理料の算定や運用に関する2つの質問を解説します。

患者さんからのクレームを防ぐには?

特定疾患療養管理料は説明内容と会計情報が患者さん視点では結びつきづらく、「知らないうちに加算されていた」と捉えられやすい費用の1つです。明細書の記載内容を見て「何の費用か」と問われるケースは少なくありません。

クレームへの発展を防ぐうえでおさえておきたいポイントは、以下のとおりです。

  • 初診月の翌月以降、算定前に患者さんへひと言説明しておく(可能な範囲で医師から)
  • 「管理計画・服薬指導の費用」と平易に説明できるようにしておく

不正請求と疑われないためには?

クレーム対応と同時におさえておきたいのが、「不正請求では」という疑念をもたれないための対策です。特定疾患療養管理料はレセプト審査でも確認される管理料のため、算定根拠を院内で整備しておくことが求められます。

不正請求疑いを防ぐうえでおさえておきたいポイントは、以下のとおりです。

  • カルテに管理内容の要点を必ず記録する
  • 主病が「主病」と判断できる病名登録を維持する
  • 月次でレセプトと診療録の整合性を確認する

返戻・査定が続く場合は算定要件の見直しだけでなく、カルテ記録の内容そのものの点検が求められます。記録がなければ根拠がないと判断されるため、「指導はしたが書いていなかった」という状況は避けなければなりません。

電子カルテを活用しているクリニックでは、定型文やテンプレートを整備することで記録の質と速度を両立しやすくなります。管理料を算定した月は必ず記録が残っているかを、月次レセプト確認のタイミングで照合するとよいでしょう。

算定をサポートするシステムのご紹介

特定疾患療養管理料は主病の確認や算定タイミングなど、確認すべきポイントが多岐にわたります。これらを人的チェックのみで毎月管理するには限界があるため、算定支援やレセプト審査の機能をもつシステムの活用が効果的です。ウィーメックスが提供する製品の特長をご紹介するため、情報収集の一助としてご覧ください。

レセコン一体型電子カルテ「メディコムシリーズ」

電子カルテとレセコンを一体化したシステムです。カルテ入力と同時に診療報酬の算定データが生成されるため、特定疾患療養管理料の計上漏れや月の算定回数超過といったミス防止に貢献します。

レセコン開発50年以上の知見を活かした算定機能を標準搭載しており、診療報酬改定への対応も1システムで完結が可能です。

「Medicom クラウドカルテ」はクラウド型のため、サーバーの設置が不要で初期費用も抑えられます。「Medicom-HRf Hybrid Cloud」はオンプレミス型とクラウド型の機能を併せ持っており、カスタマイズにも対応しております。

両製品のより詳しい特長はそれぞれの製品ページからご覧いただけます。

クラウド型電子カルテ「Medicom クラウドカルテ」の詳細情報を見る

ハイブリッド型電子カルテ「Medicom-HRf Hybrid Cloud」の詳細情報を見る

レセプト院内審査支援システム「べてらん君 collaboration Plus」

「べてらん君 collaboration Plus」は、レセプト提出前の院内審査を支援するシステムです。併算定不可の管理料の重複チェックや、算定要件を満たしていない請求の検出など、査定・返戻リスクの低減に貢献します。

特定疾患療養管理料のように注意点が多い管理料ほど、システムによる一次チェックの効果を発揮します。退勤後に自動的にチェックできる「スマートチェック」など人的確認と組みあわせることで、より精度の高い請求管理が可能です。

べてらん君 collaboration Plusのより詳しい特長は製品ページからご覧いただけます。

レセプト院内審査支援システムべてらん君 collaboration Plusの詳細情報を見る

まとめ

特定疾患療養管理料は、慢性疾患の計画的な療養管理を評価する管理料であり、診療所では月2回・225点を算定できます。2026年度改定では、NSAIDs投与中の胃潰瘍・十二指腸潰瘍患者の除外と、長期処方・リフィル処方箋の院内掲示義務化という2点が変更されました。

算定にあたって日常的に確認すべきポイントは以下の5点です。

  • 対象疾患が「主病」かどうかを確認する
  • 主病を自院で診療しているかどうかを確認する
  • 初診から1か月の算定制限を遵守する
  • 併算定不可の管理料との重複がないか確認する
  • 管理内容の要点をカルテに記録する

診療報酬の正確な算定は、クリニック経営の安定とコンプライアンスの両面に直結します。電子カルテやレセプト院内審査支援システムの活用も検討しながら、2026年度改定への対応を着実に進められてみてはいかがでしょうか。

「Medicom クラウドカルテ」の詳細・お問い合わせはこちらから

「Medicom-HRf Hybrid Cloud」の詳細・お問い合わせはこちらから

「べてらん君 collaboration Plus」の詳細・お問い合わせはこちらから

著者情報

武田 直也 様

フリーランスWebライター。18年間、医療事務として合計3つの医療機関に従事。診療報酬をはじめ、診療情報管理士の資格を活かしたカルテ監査やDPCデータ分析、クリニカルパスなどの医療情報利活用に精通している。

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